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#3 本当の私へと還るプロセス
2022.06.24
元旦に私の実家へと行った高校生の娘と息子が帰宅したのが21時頃のこと。「お母さん、早くおばあちゃんに会って来た方がいいよ」と、娘。
続きです。
娘も息子もおばあちゃんに会うのは昨年の正月以来。昨年のおばあちゃんの印象からしたら相当に容態が悪く見えたそうだ。唇や手など、筋肉自体が小刻みに震えていた、と。
こうやって聞く話は情報空間でのやり取りなのでそのまま鵜呑みにはしない。私の目を通して見ている私の母と、子どもたちが見ているおばあちゃんは全然違うはずだ。
おばあちゃんに対するそもそもの前提が違うので見え方も違うだろう。
ここから自分で確認したり会ったり考えたりしていくことが大切だと思っています。何事にも。情報空間にある情報を物理空間に落とし込む。
まずは病院へ電話。
夜分の電話の非礼を詫び現状を把握したい旨を伝えると「担当医がいませんので」という前置きと共にお見舞出来る時間と病室を教えてもらい、さらに現在リハビリをしていることそして「パーキンソン病のためぼーっとしている時間が多い」という情報を得る。
パーキンソン病をネットで調べる。脳の異常により身体の動きに障害が出る病気であるということを知る。
その症状のひとつに、安静にしている時に手や足に細かな震えが生じる。それを振戦という。
娘の話を聞きながら私のみぞおちが痛くなってくる。「母は何をお腹に溜め込んでいるんだ」という思いが湧き上がりつつも、それに気づきながらその考えを追いかけない。みぞおちが痛くなった理由を探さない。
そして娘と話しながら1ヶ月前の会話をふと思い出す。
母の入院している病院のそばにある鷲(おおとり)神社。酉の市の本社です。
昨年の10月6日〜16日に玄花ツアーとして初の海外インドへ行きました。
その流れでインドの高僧とのご縁が繋がった。現地ガイドのスワミ(その人自身の師)だそうだが、私は実際に会ったことはない。
お坊さんはヒマラヤでずっと祈りの儀式をしている。
なぜか私のことを気にかけてくれ、そのお坊さんがいくつものメッセージを現地ガイド経由で届けてくれた。その中に、「娘にはヒーリングの能力があるのでそれを教えるように」というのがあった。
娘から母の容態を聞きながらそんなメッセージをふと思い出した。
教えるといっても私が思うヒーリングを刷り込むのではなくまずは、「麗奈のポテンシャルのひとつにヒーリング能力があるんだって」ということを伝えた。
そもそも娘はとても敏感であり特殊な能力がある。娘自身も自覚している(しかしそれはチャネリングとかリーディングと言葉にするとなにか違うような気がする。違うのだろう)
まあとにかく、「私はJUYOという講座でまずはこう伝えているんだ」と言って娘に話し始めた。
まずは娘は私の誘導する通りにJUYOの状態に入って行き、その帯域と同調しながらそこで自分ならではの感覚を掴んだ。しかしまずは私の誘導する通りに丁寧にやっていた(娘のヒーリングについては後日談があり次のブログに続く)
娘と共におばあちゃんへのヒーリングを終え(これを読んでいる方が思うヒーリングと私のいうところのヒーリングは違うと思いますが)眠りについた。
翌日の昼に母の病院へ。
車椅子に座り4人掛けのテーブルで昼食を食べていた。
手の動きはぎこちなくおぼつかないが意識はしっかりしている。「ああ、玄花」というとテーブルの方々に「うちの長女です」と紹介してくれた。
娘の話を聞いてものすごい容態の悪さと最悪を考えていたので「思うよりも元気だ」と思った。だから自分で確かめもせずに人の話を鵜呑みにして気を回し過ぎるのは危うい。
もちろん一人では立つことも寝返りを打つことも出来ない。右股関節の手術をして足のリハビリをしているのはもちろんだが、全身の運動機能と脳がテキパキと連動していない感じだ。
食事を終えてベッドに戻り母と話をした。普通に話は出来るが時々明晰ではない。
#0 受容というアートのブログにこんなことを書いた。「全てはあり、私はその“ある”を見れる帯域まで関われるだろうか」
その私が見たい”ある”ものとは、奇跡が起きて身体が治るとか癒えるとかそういう現実に抗おうとすることではなく、ただ、母の爆笑する顔だった。
そしてそれは本当に何度も見れた。
さすがだな、、、、私、天才。ハハハ!!もちろん笑わせようなんて思っていないけれどそこに爆笑が起こるのだ。
私はこの仕事を始めた時から「人を元気にする」「その人が持っている元々の気(眠れる力)を引き出す。それが元気だ」ということを書いていた。
それは爆笑することもそのひとつ。
そしてもちろん…元気があれば何でも出来る(私が証明です)
元気や健康というのは、病気でない、ということではない。寝たきりでも元気な人はいるのだ。
ヒーリングとは色々な解釈があるが、その人を癒す力はその人自身に備わっている。その内側から湧き上がる笑もそう。
元旦に母の容態を子どもたちから聞き、翌日に母の病院へ行ったというそれだけのこと。
私がいた6時間の間にはただの一度も母の手足の震えはなかった。それまで絶え間なく怒っていたのに。
それに対する意味づけや理由づけなんていくらでも出来る。前日の夜に行ったヒーリングのおかげ、なんていうことも出来るしパワラルワールドなんて持ち出してもいい。
しかしそれに意味はつけない。
私がJUYOであっただけ。
そもそも子どもたちの見た震えがあったのかどうかも話にしか聞いてないから確かめようもない。その日私が見た母の容態が私の現実ということだ。
夕方の母のリハビリにも付き添った。
一人で立ち上がることも出来ないし、右足は出せるけれど左足が出せない。左足を出すという感覚が掴めないようだ。
平均台を2本並べたバーにつかまりながら理学療法士に補助され誘導されながら一歩ずつ歩を進める。
歩きながら周りでリハビリする人たちに目をやり自分が歩くことに集中しない母。
理学療法士の方が話かけても上の空だったりするので、「こうやってぼーっとしてしまう時間も多いんですよね」と彼女は言う。
歩くことに関しては集中も途切れがちだが、理学療法士の方が「今日はここまでにしてもう帰りますか?」と聞いたら嬉しそうにうなづいていた。
あははははは、面白い。
リハビリは腕の力を使って自分を支えて歩くのでしんどいし決して楽しいことではない。楽しくないことには集中しないなんて子どもみたいでいいじゃないか。
そして自分の本当に求めているもの(早く病室帰りたい)には即答する。すごぶる健全。
寝ていたり車椅子に座っている時間が長いから、周りで動く人やものに注意が行くのも当然だ。そうやって周りに興味を持てるのも素晴らしい。
私と話していても、聞きたくない話に対して母の脳は閉店ガラガラとなる。興味ある言葉には即答だ。
だけどこれ、お嬢さま育ちの母は昔から聞かない話はスンっとしてスルーしていたような…元々の性質か。元々はそうなのに頑張って周りの話を聞こうと努めていたのかもしれないね。
ねえ、お母さん。今まで長男の嫁として母として周りの期待に応え、自分が我慢すれば丸く収まると信じて生きて来たね。今のその子どもらしいわがままぶりが最高に素敵だよ。
聞きたくない話なんて聞かなくていいんだよ本当は。
私たちはいつもほんのちょっとの嘘を重ねている。ほんのちょっとお世辞を言ってしまったり相手に話を合わせてしまったりいい風にまとめようとしたりと、本当の本当からコンマ1ミリずれることをすることでカルマを増やしている。
母はぼーっとしている時間も確かにある。だからといって何も考えていない訳ではないと私は思う。
お昼の食事時に、母が食事を終えたので「介護士さん呼ぼうか?」と母に声をかけたらゆっくりと小さな力の入っていない声で、だけどキッパリと「次にどうするかは私が考えているからいい」と言った。
私が帰る頃にはとっぷりと日が暮れて、「子どもたちに遅くなると電話しなさい」「迷子にならないように」と母の顔も見せた。強いな。
確かに母のフィジカルはボロボロ。脳神経の回路の繋がりも悪い。肚から声も出てないし歩けないし立ち上がれないし、思うようには動けない。
だけど嚥下障害はなく、胃腸は元気。
そして魂は枯れちゃいない。
肉体の劣化に反比例して、清々しくも生まれたまんまのように輝いていた。私はそれを感じた。
心と身体は表裏一体というけれど、それがどういうことなのかを今までよりも深いレベルで理解した。まだ言葉にはならないkれど。
しばらくは退院もしないだろう。
しかしその中で楽しみが見つけられない訳じゃない。まずはここで楽しもうよ、と、そんな話を母にして来た。
「肉体はやっぱり動かしてこそだから、これあげるよ。インドで買って来たの。珠の数を数えてごらん108個あるから。お母さんの煩悩の数と一緒だよ。わははははは」と手渡した。
最初を握るだけだった。しかしやり方を教えるとコツを掴み、数珠をグルグルと巻いたり一つ一つ数え始めた。
そして数珠を鼻に近づけて胸いっぱいに白檀の香りを嗅いで幸せそうな微笑みを見せた。
昔から本当に綺麗な肌。
顔もつやっつやでした。皮膚は正直です。←これ本当。
ちなみに母は15年〜20年ほど前に子宮頸がんで子宮も卵巣も取っている。だからと言って私が熱心にヒーリングしたわけではない。
その人を癒す力はその人自身に備わっている。だから玄花Works「JUYO」ではまず、自分が自分を癒すことができることを知ることから始まる。
元旦に母の容態を子どもたちから聞き、2日に母の病院へ行き、昨日3日の夜は娘と再び母の遠隔ヒーリングをした。
1月3日。
母の誕生日。
おめでとうお母さん。年を重ねるということは死へと一歩近づいたことでもあるね。
どんな時もでも私に「かわいそう」とも「不幸」とも感じさせなかった母の偉大さに、乾杯です。
2018年1月3日
過去ブログ再掲載
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